エアブラシ塗装について私が知っている二、三の事柄

石川雅夫(MMI/liMEGREEN)
第4回モデラーズ・スペース展示会(1993年)

昨年に続いて、「石川君の、こむずかしい塗装講座 第2弾」である。

前回の記事については、「読みづらい」、「難しくて解りづらい」、「飛躍が多くてついていけない」、等の批判を戴いた。今回は、出来る限りこれ等の点について改善して行きたいと思うが、何分にも限られたスペース内で出来るだけ多くの情報を伝えたいと思うため、どうしても内容を詰めざるを得ない、読者の理解を願う次第である。[ 註1 ]

モデラーズ・スペース展示会では、この前年からパンフレットを作成する様になりました。それにも文章を載せているのですが、内容的に必要なし、としてここには再録していません。

又、一方で、「大変役に立った」「目からウロコが落ちる思いだ」「おかげで恋人が出来た」「3P、SMパートナー求む」「死体写真売ります」、等の好意的な反応もあり(?)、これをはげみにPART-2を進めたいと思う。
 
さて、前回で基本的なことは大体おさえたので今回は、エアブラシの応用編といった内容にするつもりである。つまりこの文章は、かなり限定された読者を対象とすることになる。具体的には、

1. エアブラシ周辺機器を一式所有しており
2. 「プラモ大好き! 初級編」程度のレベルは楽にクリアーしていて
3. 常に問題意議を持ち続けているモデラー

と言った所だろうか。私がここで説明する塗装法は、模型界一般の常識とは(表面的には)反する部分もあるため、初心者が読んだ場合、混乱するだけだったりするのである。[ 註2 ]

今読むと、ずいぶん高飛車な事を書いていますが、まぁこの条件については話し半分程度に考えてください。

前回の内容について、多く受けた質問の一つが、「Mr.カラーを、4倍に薄めるのは、薄めすぎではないか?」と言うものだった。

これは重要なポイントなので、つっ込んで説明することにする。
確かに一般的な吹き方でこれを吹いたら薄すぎるわけで、この場合は吹き方の発想そのものをも変えなければならない。一言で言えば「塗料を乾燥させながら吹く」方法である。

塗料の乾燥速度は、気温や湿度といった外的な要因だけに左右されるものではなく、エアブラシをどう使うかによっても大幅に変えることが出来る。これは主に塗料が塗面に届くまでの段階における乾燥に大きく関わっており、基本原則としては、(他の条件が一定の場合)

1. 霧化した塗料の粒子の直径が小さい程、乾燥は早くなる。

2. ノズルから出る空気の流速が早い程(つまり空気圧が高い程)、乾燥は早くなる。

この2点に要約されると思う。おそらくこれでは何のこっちゃわからんだろうと思うので、それぞれ細かく説明することにする。
 
 ある一定量の塗料を霧化する場合、粒子が細かくなる程、表面積は大きくなる、従って乾燥も早くなるのである(わかるでしょ?)。
2. については、一定時間内に塗料の粒子が接触する空気の量が多くなる程、乾燥が早くなるのだ、と理解してもらって良いと思う。
そして塗料の粒子の大きさは、それぞれ

a. 塗料の粘度が低い程、
b. 塗料の射出口が小さくなる程、
c. 空気圧が高くなる程、小さくなる。

  そして最も重要な事だが、塗料の粒子が小さくなれば、それだけ平滑な塗膜が得られる事になるのだ。塗膜が濡れている間は平滑に見えた表面が、乾燥するとゆず肌やみかん肌になってしまう現象は、塗料の粒子が荒いことが原因である場合が多いのである。
以上のことを理解すれば、何故4倍にまで薄めるかも解ってもらえると思う。つまりは、平滑な塗面が欲しいわけで、そのためには出来るだけ霧化した塗料の粒子を細かくしたい。そのための4倍希釈、と言う訳である。そしてそれだけ薄い塗料を使うためには乾燥させながら吹かなければいけないため、上にのべた様な条件を利用することになるのである。

これはかつて塗装の本を見ていた時に、乾燥速度と粒子直径、そして空気流量の相関関係をあらわしたグラフを見たことがあり、それを見てそれまで感覚としてつかんでいた事を明文化できた物であり、実の所そのグラフを載せる事ができればもっと楽に説明出来るのだが、その本の題を忘れてしまったため、それが出来ない(図書館で見た本なのだ)、おかげでこう言うわかりにくい説明になってしまった事をお詫びする次第である。
 
 それでは次に、具体的なノウハウについて出来る限り説明して見よう(4倍希釈のMr.カラーを使う事を大前提とする)。
先ず、大原則として「塗面を必要以上に(時によってはまったく)濡らさない様に吹く事を常に心がける。これはエアブラシを塗面から離すことでも出来るが、粒子を細かくすることが条件であるため、ニードルの開度を最小限にすることでこれを行なう。

どのくらい、と言う加減についてはこれはもう各自で実際に試してもらって体得していただくしかない。どこまでニードルを開くと、どれくらいの塗料が吹出されるかを体で覚えることが第一段階である。

そして何よりも大切なのが、常にエアブラシを小きざみに動かしつづけること。イメージとして解り易いのは、車のワックスがけのパターンだと思う。エアブラシの先で小さな円を描き続ける感じで吹きつけを行なう。これを一瞬たりとも止めることなく(大げさではなく本当に一瞬も目を離せない)、小きざみな円の繰り返しで、全体を吹き続けるのである。

直線的な運動は厳禁であって、してはならない。往復運動では方向転換の時に必ずスピードが0になる一瞬があり、そこを吹きすぎてしまうのだ(これも決して誇張ではない)。

これは特に吹き初めの段階において最も注意しなければならない、まだ塗料の載っていない被塗面は、ほとんどシンナーを吸い込んでくれないため、ほんの一寸の吹きのミスがもろに出てしまうのである。又、一度塗料が乾燥した面に再度吹く場合でも、始めの間はシンナーの吸い込みが悪いので、注意が必要である。[ 註3 ]

この「下地によるシンナーの吸い込み」と云う概念は、一般的な模型塗装の解説にはまず出て来ないのでなじみが薄いと思いますが、ツヤあり塗装を本格的にやる場合には重要なファクターです。
グロス仕上げのHow-toには良く「塗料がタレる寸前まで吹く」といった表現が出てきますが、こうしたコントロールをする為には、その時点で下地がどこまでシンナーを吸ってくれる状態にあるかを見極める能力が欠かせない物となるのです。

但し、これは逆に言えば、しばらく吹き続けて適度に下地がシンナーを吸ってくれる様になれば多少の無理はきく様になると言う事でもある。

実際の吹き始めの段階では塗料が飛んでいるのかどうか解らないぐらいの細吹きをしなければいけない(特に小さなパーツの場合)こともけっこうある訳で、そのままのペースで吹き続けなければならないとしたら莫大な時間がかかるし、第一疲れてしようがない。下地のシンナーの吸い具合は刻々変化して行くので、それに合わせて徐々にニードルの開度を上げていくと良いと思う。

これぐらいまで来るとけっこう表面を濡らしても大丈夫なくらいになってくるので後は好みでどれくらい吹くかを決めても良い。但しあまりあせって缶スプレーを吹く時の様な状態にしてしまうと、エッジがダレたりディテールがつぶれてしまい易いので気をつける事。

この塗装法のメリットはいくつかあるが、缶スプレーを使った時などには必ず見られる、エッジ部分の塗料の「逃げ」をなくすことが出来ると言うのがかなり大きなメリットのひとつなのだ。又、ツヤを出したいと思うと過度に表面を濡らす吹き方をしてしまいがちになるが、この方法の場合は、かえって細吹きをしつこく続ける方がよい。これを説明するには、又しち面倒臭い話をすることになるのだが、ガマンして読んでいただきたい。要はシンナーが含んでいる色々な成分の違いを上手に利用することにある。
 
我々はシンナーの種類と言うと、せいぜい、ラッカーシンナー、Mr.シンナー、エナメルシンナー、等を思いうかべるだけで、それ以上の分類には気もとめないし、逆に言えばこの分類自体に疑問も持っていない(勿論、普通に模型を作っているだけならこの分け方で充分だ)。

しかし、誤解を恐れず、あえて正確を期して言えば、この世には、「ラッカーシンナー」や「エナメルシンナー」などと言った「物質」は存在しない、あるのは酢酸エチルやシクロヘキサン、トルオール等の有機溶剤を各塗料の特性に合わせて配合した混合物であり、それ等を便宜上、「ラッカーシンナー」等と呼んでいるだけだ(これは「ガソリン」なんて物は本当は無い! と言うのと同じ理屈である)。

そして有機溶剤も「真溶剤」、「助溶剤」、「希釈剤」と3つの機能に分けられ、それぞれが、各種塗料によって全て異なっている(たとえば、酢酸ブチルはニトロセルロースラッカーの真溶剤だが、油性塗料等の他の塗料に対しては必ずしも溶解力を持たない、等といったこと)。[ 註4 ]

これについては94年分原稿の「塗料」の項でも関連した内容を扱っています。

上に述べた様な機能に加え、各有機溶剤の沸点温度(低沸点である程、蒸発速度は速い)も重要な要素であり、これらを全て考慮して、各塗料に合わせたシンナーが設計されているのである(例えば低沸点の真溶剤しか含まないシンナーを作った場合、乾燥するにつれ、真溶剤だけが先に蒸発してしまい、残った助溶剤、希釈剤はそれぞれ真溶剤なしでは溶解力を持たないため、樹脂分が凝固して塗膜が引きつれた様になる塗膜異常がおこる)。

さて一般的に、きれいなツヤのある塗膜が欲しい場合には、乾燥の遅い塗料を使うのがセオリーとなっており、ラッカー等の速乾性の塗料には、そのための専用シンナー(いわゆるリターダーである)が用意されていることが多い。

しかしこれ等を使わなくても、表面が濡れるか濡れないかのぎりぎりの状態をキープして長い時間吹き続けるやり方をすると、吹き終えた直後はツヤが出ていない様に見えても、そのまま放置しておくと数分後には、内部からしみ出してきたシンナーによって、きれいなツヤが出てくる、と言った芸当が出来るのである。

これについては、きちんと説明した文章に出会っていないので、あくまでも私の推測の域を出るものではないのだが、次の様に考えている。細かい粒子となって霧化され、流速の速い空気で飛ばされた塗料(この場合、前にも言った通りMr.カラーである)は、塗面に届くまでに、その含んでいるシンナーの中の低沸点の成分を、ほとんど蒸発させてしまう。

そして塗膜となってからも高速の空気の流れにさらされて、さらに蒸発が進む(書き忘れていたが、普遍のコンプレッサーを使っているのだったら全開の状態ぐらいの圧力で吹くことになる。私の場合、2.5Kgぐらいの圧力で吹くことが多い)。[ 註5 ]

現時点において当時と最も変わったのがこの空気圧に関してです。
99年分原稿の「エアブラシ」の項でも書きましたが、現在では0.5kg程度で吹く事が殆どで、最高でも1kgを超える事はまずありません。2kg以上のエア圧で吹くと、塗装作業が短時間で済むと云うメリットがありますが、表面にザラつきが出易く、また必要以上に厚塗りになり易い、と云う傾向があるのです。
圧力を下げた分は、さらにニードル開度を絞り、ハンドピースをよりパーツに近づける事によって、粒子が粗くなる事を防いでいます。この様にある一つの条件が変化しても、他の条件をそれをフォローする形に変えてやる事により対処できる訳で、こう言った応用を効かせられる様になる為、各条件について細かく説明しているのです。

この結果、塗膜の中には、ほとんどが中、高沸点の成分しか含まないシンナーが少量残ることになり、エッジから「逃げ」を起こしたり、タレたりしないだけの粘度をたもちながら、塗膜の表面が、表面張力できれいになるのには充分な時間だけ、乾燥を遅らせる事になる。以上の様な過程になるのではないかと勝手に思っているのだが、説明としては、こんな所だろう。

 所で、ラッカー系、エナメル系等と言った言葉が出てきたついでに、これ等の言葉の定義について、一席おつき合いをいただきたい。
 
私の売り看板とも言えるネタの一つに、マニキュアを使ったパール塗装があり、これについて質問を受けるときに必ずと言っても良い程訊かれることが「マニキュアと言えば別名ネイルエナメルと言うからには、シンナーもエナメルシンナーを使うのだろうか?」と言う質問である。
 
これは全く誤解であり、マニキュアにエナメルシンナーを混ぜたら十中八九凝固してしまう。模型に使う場合は、Mr.シンナーで良いのだが、何故このような混乱が生じるかと言うと、用語の混乱がその原因である。
 
「ラッカー系」、「エナメル系」と言う言葉は模型業界内だけで適用する、いうなれば「業界内方言」とでも言うべきものであり、全く一般性は持たないと言っても良いのである。ちなみに、この文章においては、「ラッカー」とだけ書いてある場合は、「ラッカー系」ではなく、スチロールプラを溶かす方の(いわば本物の)「ラッカー」のことである。いわゆる「ラッカー系」については、「Mr.カラー」と表記している。

かつては、レベルカラーを筆頭に、Mr.カラー、モノグラムカラー、ツクダMSカラー、フロッグラッカー等々、この系統の(スチロールプラを溶かさない変性ラッカー)塗料が多数あったために、「ラッカー系」と言う呼び方が出来て、パクトラエナメルや、ハンブロールエナメル等の油性系の塗料を区別するために、「エナメル系」と言う言葉が出来たのだろうと思われる。そして、機能上の違いを説明するのにも便利なため、そのまま定着したのだろう。

実際、塗装業界においても、「エナメル」と言う言葉はいくつもの意味を持っているので、こういう使い方も決して間違いではない(例えば英語でENAMELと言うと、ホウロウの意味もあったりする。歯の表面をエナメル質と呼ぶのも、ホウロウ質と言った意味である)。

しかし基本的には、エナメルと言う言葉は、「透明塗料に有色顔料で着色された着色塗料」と言う意味で使われる事が多い、つまり塗料の内ほとんどが「エナメル」と呼べるのであり、「ネイルエナメル」と言うのもこの意味において「エナメル」なのである。そして、「ラッカー」も正確に言うと「硝化綿ラッカーエナメル」や「アクリルラッカーエナメル」と言うのが正しい。Mr.カラーなどはさしずめ「変性アクリルラッカーエナメル」と言った所だろうか。

又、「エナメル」には、狭義的な意味として「油ワニスに有色顔料で着色したもの、およびその系統の塗料」と言う意味があり、パクトラ(現タミヤエナメルに相当)や、ハンブロール等はこの意味において「エナメル」と言う名前がついたものと思われるので、これが「エナメル系」の直接の語源と考えて良いと思う。

「エナメル系」についてはまあしようが無いと思うが、模型誌の記事などで、いわゆる「ラッカー系」のことを、平気でラッカーと書いてしまう神経だけは許しがたいものがある。普通のモデラーは、プラを溶かすラッカーなどは使わないから、これで良いのだ、と言う事なのだろうが、私の様に自動車(実車)用のラッカーを4Kg缶で買って使っている変わり者はどうすれば良いのだ! 第一、今は、ラッカー系塗料はMr.カラーしか入手出来ないのだから、「Mr.カラー」と書けば良いじやないか!(などと思っているのは私ぐらいのものなんだろうな、やはり……)。
 
つまらない事で興奮している内に余談が長びいてしまった、本題に戻ろう。とり合えずのまとめとしては、塗料をなるべく細かい粒子にして吹くことによって、きれいな塗膜が得られると言う原則を理解してもらう事が、この文章の主な目的と言って良いと思う。そしてこれまで色々書いて来た数々の小理屈は、全てそのために必要な条件の説明である。色々な条件が飛び飛びに書かれる事になってしまったので、ここでもう一度順序立ててまとめておこう。

(1)細かい粒子を飛ばすためには、シンナーで塗料の粘度を下げ、空気圧を出来るだけ上げて、ニードルの開度を必要最小限にする
 
(2)塗料の粘度を下げる目的で、多量のシンナーを加えるため、 塗料のタレや塗膜上での飛び散りや、圧力の強いエアーに吹かれてシワを生じやすくなる。これを防ぐために表面はなるべく濡らさないギリギリの状態をキープしながら吹く。
 
(3)そのためには、常にエアブラシを動かし続けることが重要となる。基本的には小きざみな円運動が望ましいが、それに限らなくとも、一番大事な事は、とにかく動かし続けて、一瞬たりとも同じ所を続けて吹かない事である。

(4)ニードルを絞って吹くので、塗料の吹出量はかなり少ないものになり、その結果長時間にわたる塗装が必要になる。バンダイ標準サイズ(大体わかるね?)のロボット一体分のパーツに一通り塗料をのせようとするならば、2~3時間はかるくかかると思ってまちがいない。1時間以内で終わるようでは、まだ、ニードルを開きすぎていると思った方が良いだろう。水抜きフィルターに水がたまらない様ではまだ甘い、キーワードは「忍」の一字! である。[ 註6 ]

今ではMGが主流なので1/100が標準の感がありますが、ここで言う「バンダイ標準サイズ」とは、1/144MSサイズの事。
2,3時間と云うのも、当時はまだキットのパーツ数が少なかった事、そして吹き付け圧が高かった為で、現在ではHGUCでも1日では終わらないかも…。

(5)そして、その長時間の間、一瞬たりとも気を抜く事は出来ない、塗面の状態は刻一刻変化して行くし、それに合わせてニードルの開度や、被塗物とエアブラシの距離を調整し続けなければいけないからだ。あせらずにじっくりと塗装にのぞむことが重要である。

大体以上の様にまとめられると思うので、後は各自チャレンジして見てもらいたい。一つのパーツをどれだけ長い時間吹き続けられるかに挑戦する様な気持ちでやって見ると、これまで書いて来た事が、感覚としてつかめると思う。そして一度このやり方をマスターしてしまえば、後はどういう場合にこれらの原則を破って良いかが解ってくると思う。
実はこれこそが大事なのであって、そのために細かい理論的な背景までをもクドクドと説明したのである。ただ表面的にやり方をおぼえるだけでは、応用が効かない物である。自分が何故こういうやり方をするのかが解っていれば、状況に応じて無駄をはぶく事も出来るし、自分なりのアイディアも生かせる。

ここで述べたことは、あくまで「一定条件の下で」成り立つことで、気温や湿度、被塗物のサイズ、その他色々な要素が変化すれば全く違ったアプローチをしなければいけないのが現実の塗装と言う物である。

そう言った事態に臨機応変に対応するためにも基本を理解して、必要な場合にはそれ等の原則を無視してしまえるくらいになって欲しいと思い、さまざさな細かい事をも書いてきたのである(「2時間も3時間もぶっ続けで塗装なんかしてらんね一よ」と言うごもっともな意見も、一度やって見てから言った方がより説得力が出ると言う物だ)。
 
ただ、私がこんな塗り方を大して苦にもせずやっていられるのも、実はただ単に歳をくって来て、気が長くなってきたからだ、と言う説があり、自分でも思わず納得してしまったことがある(先日も、某V.M.S.のメンバーと話していた時に、ふっと、「バイオレンス・ジャック」を少年マガジン連載当時に読んでいたと言ったら、「そいつあ、すげえや」と驚かれてしまったのだが、実は、それどころではない。「天才バカボン」や「あしたのジョー」の連載開始の予告だっておぼえているし、「ウルトラQ」だって本放送で見ていたりするのだ。ライム・グリーンのおかげでM・スペースの平均年齢が上がっていると言われるのも、むべなるかなである)。

 結局、今回も飛躍だらけの読みにくい文章になってしまった。これは、全く筆者の頭の悪さによるものであり、最後まで読んでくれた方にはお詫びとともに、感謝の意を表させていただく。堅苦しい言い方だが、これも「だ、である調」の宿命と言ったところか(本来、私は「だ、である調」は、えらそうで好きではないのだが、「です、ます調」だとどうしても字数が増えるので、仕方なく「だ、である調」で通すことになってしまった。志村喬ではないが、内心忸怩たる物がある)。

 それでは前回同様、内容に関する質問、異義、文句、等お持ちの方は、直接、ライム・グリーン 石川まで、と言うことで、それではまた。(次回は、はたしてあるのか?)。

補足

前回の記事で紹介したオルファの「L刃アートナイフ」だが、その後、前回の展示会の時点で絶版となっていた事が判明した。ここにお詫びする次第である(ども、失礼しました~っ! チャン、チャン)。